5月31日、全国一斉に行われた「北朝鮮拉致問題街頭行動」に参加させていただきました。北朝鮮による日本人拉致は、国家の主権と国民の人権を踏みにじる重大な問題であり、その早期解決を訴えるため、全国各地で多くの方々が立ち上がりました。私たちが活動した三重県津市でも、青年局・青年部の皆さんと共に、声を上げる機会をいただきました。
当日はあいにくの強風。のぼり旗は何度も倒れそうになり、マイクの声も風にかき消されそうな状況でした。私たちは、江戸橋、大門(センパレ前)、津駅西口、東口、そして再び江戸橋へと、計5カ所での街頭演説を行い、道行く多くの方々にメッセージを届けました。
4回目津駅東口での演説では衆議院議員・大空幸星先生も駆けつけてくださり、力強く演説をしてくださいました。「拉致問題は、人道上の問題であると同時に、国家としての尊厳に関わる課題です」と訴え、「一人の政治家として、そして一人の人間として、絶対にこの問題の解決を諦めない」と力強く語られました。
私は「ブルーリボンバッジ」の意味について話をさせていただきました。ブルーリボンとは、拉致被害者の一日も早い帰国を願うシンボルです。小さなリボンバッジかもしれませんが、それを身につけるという行為には、被害者の方々と「心をともにする」という強い意思が込められています。
ではなぜ、私たちのような若い世代が、今この問題に向き合い続ける必要があるのでしょうか。正直に言えば、「拉致」という言葉自体が過去のニュースのように感じている若者も少なくありません。教科書でしか知らない、あるいは一度もニュースで見たことがない、という人もいるでしょう。しかし現実には、拉致被害者の方々は今もなお北朝鮮で自由を奪われ、日本の地を踏むことも、家族に会うこともできないままです。ご家族の方々は何十年という時を「帰りを待ち続ける」という苦しみに耐えておられます。この問題は、「今も続いている」現在進行形の人権侵害なのです。
だからこそ、私たちが声を上げなければならないのです。時代が進み、世代が移り変わっても、拉致問題が「誰かの昔話」として風化してしまってはならない。これは国家の責任であり、同時に市民一人ひとりの良心と想像力の問題でもあります。
政治や社会問題に対して「無関心」と見られがちな若者ですが、私たちだからこそ伝えられることがある。未来に責任を持つ世代として、私たちには果たすべき役割があるのだと、改めて感じました。
これからも私は、ブルーリボンを胸に、この問題の解決に向けて地道に声を上げ続けていきます。一人でも多くの方にこの問題を知っていただけるよう、これからも行動していきたいと思います。
引き続き、自民党三重県連にて、衆議院議員・大空幸星先生をお招きし、「望まない孤独のない社会の実現に向けて」というタイトルで講演をしていただきました。
大空先生は、若者の自死の増加や引きこもりの支援、そしてその支援者に対する制度的なサポートの必要性など、非常に幅広いテーマをわかりやすく、お話しくださいました。
その中でも特に印象的だったのは、「孤立」と「孤独」は似て非なるものだ、というお話です。これまで多くの支援政策や議論では「孤立」がキーワードとして扱われてきました。たしかに、物理的に支援の手が届かない、関係性のネットワークが完全に断たれてしまっている「孤立」状態への支援は重要です。しかし、大空先生が指摘されたのは、現代の日本では「孤立」はむしろ少数派であるという現実です。
「家には家族がいる」「友達もいる」「先生もいる」──それでもなお、誰にも理解されていない、心の中はずっと一人ぼっちだと感じる。そうした「孤独」に苦しむ人が、特に若い世代を中心に、年々増えているとのことでした。
表面的にはつながっているように見えても、深いところで誰ともつながれず、孤独の中で心を病み、そして命を絶ってしまう。そんな若者の現状に対し、大空先生は真摯に向き合っておられました。
私が特に心を動かされた言葉は、
「問題を“問題”として処理しようとするのではなく、“ひとりの人”として見ること。」というものでした。
この言葉にハッとさせられました。
支援の現場でも、社会の中でも、ついつい「引きこもり」「若者の自殺」「メンタル不調」など、問題をカテゴライズして捉え、何らかの“解決策”や“処方箋”を当てはめたくなってしまうことがあります。でも、それでは本質は見えてこないのだと、大空先生は語ります。
SNSが発達し、情報があふれかえる現代。比較や孤独感、劣等感は無意識のうちに深く若者の心を蝕みます。だからこそ、そこにいる“ひとりの人”に心を寄せ、理解しようとすることが、何よりも大切なのだと感じました。
講演を聴きながら、私は「私たち若者こそ、目を背けてはいけない」と強く感じました。
孤独に苦しむ人を、遠くの“社会課題”として見るのではなく、すぐ隣にいる誰かの現実として捉えられる感性を持つこと。
それが、“望まない孤独のない社会”への第一歩なのだと思います。
最後になりますが、お忙しい中、三重県まで足を運んでくださり、そして貴重なお話をしてくださり、大空先生本当にありがとうございました。この講演を通して得た気づきを、これからの言葉と行動に変えていけるよう、日々を歩んでいきたいと思います。