2 月 12 日,参議院議員の青山繁晴先生を講師にお迎えし,政治大学院が開催されました.
講義のテーマは「『ぼくらの祖国』の持つ意味」です.
講義内容は多岐に渡り,憲法第 9 条の戦争の放棄や戦力の不保持を掲げる日本が,現在のウクライナ問題など,緊迫した国際情勢の中でどのような状況に追い込まれているのか.
また,日本が世界に誇る高い技術力として,潜水艦技術やメタンハイドレートの発掘など,多くの例を挙げながら,時間たっぷりにお話してくださいました.
第一声に,「政治家は弱者の味方であり,国会議員は国民のために命を捧げられる人物である」とのお言葉.ここに,とてつもない決意と信念があり,こんなにも本気で国と国民に向き合い,捧げている方がいる一方で,それに応えず,国民が政治に真正面から向き合っていない今の社会は,大きく間違っているのだと気づかされました.
講義の中でも最も印象に残っているのは,憲法第 9 条のもつ真意についてのお話です.
今まで第 9 条について,「もう二度と戦争はしない」という平和への決意を定めたものである,と教えられてきましたが,実際はそんな甘いものではなくて,この憲法によって,日本の領土や国民すら満足に守れる状態にないということを初めて知りました.
そんな憲法を,戦後から 80 年近く経とうとしている今でも,何の疑問も持たず平和の象徴として掲げてい
ること,そして,戦後,アメリカから与えられた日本国憲法が,今まで一度も改憲されることなく日本の憲法として受け入れられてきたこと.あまりに盲目な今までの行いが,今になって大きな代償として,自分たちの身に迫っていることを実感せずにはいられませんでした.
青山先生のお話は,非常にわかりやすいことは勿論,そのどれもが,ジャーナリストとして世界各国を訪ね歩いた,豊富な経験や知識に裏付けされており,とても興味深く引き込まれるものでした.また,一人ひとりの目を見ながら,時にはマイクを向け,問いかけてくださる姿に,とても親近感を感じました.
一度はコロナウイルスの影響によって,中止となってしまった青山先生の講演ですが,こうして機を新たに,三重県で熱い弁舌をふるっていただけたこと,とても光栄に思います.